セラミックヒーターを型番で呼ぶと、愛着が湧いてきた。

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この冬、新たにセラミックヒーターを買いました。

子どもの頃、家にあったハロゲンヒーターは、ハロゲン部分が真っ赤になり見た目は灼熱地獄だったが、ちょっと離れると寒かった。

かといって、熱を感じるくらいに近寄ると温かいを通り越して熱いし、うっかり触れたら火傷する。熱かったり寒かったりで身の置き所が定まらないで、こういう発熱系の暖房器具は選択肢にはなかった。

しかし、今回のやつは黒鉛素材のグラファイトである。遠赤外線を放射するのである。

店の人の説明によれば、遠赤外線だと内部の水分を温めるので、触ってもすぐには火傷しないし、近くにいても皮膚が熱でヒリヒリすることもないが、温泉に浸かっているかのようにじっくり温まるという。

店の人が自信満々で勧めるので断りきれず、火傷を防止するために付いていると信じていた前面の金網をおっかなびっくり触ったみたら、確かに熱くない。熱いから絶対触っちゃダメ!と幼少期に散々言い聞かされていたので、妙な感じがする。

ジリジリ焼けるような熱さがなくても遠赤外線はたっぷり放射されているので、ヒーターの前で芋をぐるぐる回していたら、内側から火が通ってほかほかの焼き芋になるらしい。

うっかりしていたら人間も焼き芋になるのではと一抹の不安がよぎったが、焼き芋はさすがに比喩だろうと思って、口には出さなかった。

しかも、温泉のような優しい温かさが本来の持ち味だが、秘めたるパワーを全開にすれば凄まじい力を発揮するらしい。

自宅でも使っているとおすすめしてくれた店の人は、いまだかつてフルパワーで使用する必要を感じたことはないと言うし、念入りなネットでの口コミ調査では、一人暮らしのワンルームでパワー全開で使用したら威力が強すぎて焼け死ぬかと思った、恐ろしい器具なので広い広いリビングで使用する以外は危険だというコメントも見つけた。

それはもう破壊力と言っていい力ではないか。

もしかして、焼き芋は比喩ではないのか?

わたしたちの部屋は寒い。この前の冬は、つま先から心の底まで冷え切ってしまい居心地が悪かった。

噂に名高いパワーは恐ろしくもあるが、期待もできる。もう凍えたくなかったわたしたちは、意を決して買うことにしたのだ。

数日後、我が家に迎え入れられたセラミックヒーターがこちら。

7cm程度の手乗りサイズのグローグーと比べると大きさが際立つ

しかし、店で並んでいたときの印象よりも大きいね。狭い部屋で鎮座なさっていると、買ってきた自分が言うのもあれだが、まあ邪魔である。純白のボディも、眩しいというか目立つよね。

人見知りがちなわたくし、このヒーターに馴染めるかしら?なんか邪魔だなあなんて思っていたら、肝心の機能も正当に評価してあげられないかもしれない。

愛称があれば親しみやすいかもしれないけれど、名前付けるとかはちょっと無理。

なので、型番で呼んでみた。CER-11(シーイーアールイレブン)である。

CER-11を起動して。

あら、スターウォーズっぽい。ほら、R2-D2とか、C-3POとか。ね?

うん、CER-11もいた気がしてきた。R2-D2が通り過ぎた部屋の片隅で働いていたロボットの1台かもしれないし、名前を呼ばれたこともないかもしれないけれど、きっといた。

そうそう、「スター・ウォーズ: バッド・バッチ」のレッカーがダンベル代わりに使っている足の生えた小さい冷蔵庫みたいなやつ。ロボットなのか家具なのかも不明だし、役割もよくわからないわりによく登場するあれ。

あのシリーズにCER-11もいるにちがいない。あの冷蔵庫もどきは歩きはするが、電子音で喋ったりしないし、しょっちゅうひっくり返っては足をバタつかせていて自分では起き上がらない。CER-11は喋らないし、歩きもしないが、首を振る。

わたしはライトセーバーよりいっそR2-D2が欲しかったが、今やCER-11を手に入れた。もはや家電ではなく相棒である。

遠い昔 遥か彼方の銀河系では・・・

CER-11シリーズは、AIが搭載されておりいつでも最適な温度でご主人もペットもなんなら芋まで温めてくれるので人気のヒーターロボだったが、あるロットで搭載された欠陥AIが暴走し、高性能の首振り機能と無限の遠赤外線パワーでロックオンした相手は人間だろうが芋であろうがほかほかに焼き上げるまで逃さない殺人ヒーターとなって暴れまくるという大事件を起こした。

本シリーズは事件後に一斉処分されたが、暴走していない子まで廃棄するのは忍びないと匿われたものが、当局の目の行き届かないアウターリムでは今も残っているらしい・・・

CER-11が遥か彼方の銀河系から我が家へやってきたと思うと、愛着が湧いて仕方がない。

見込んだとおり遠赤外線もしっかり放射してくれているので、身も心も温かい。フルパワーはまだ試していないけど。

お気に入りの暖房器具とフィギュア

メディコム・トイ MEDICOM TOY ウルトラディティールフィギュア(UDF)GROGU(TM) 全高約70mm

グローグーのあどけない仕草をかなり再現しているシリーズ(2024年2月時点で全10種類)

ウチにはね、ボールを差し出しながら遊んでくれと迫ってくる子といたいけない表情で見上げている子がいます。とにかくかわいい。

こんなに愛くるしい生きものがいない宇宙には耐えられない。ああ!グローグー・・・!ああ・・・・!!

ダイキン工業 CERAMHEAT(遠赤外線暖房機 セラムヒート) 

重量8kg・横向き時のサイズ:幅560mm(突起部を含めると577mm)×奥行342mm×高さ502mm・電源コード3m

エアコンで部屋全体を温めつつ、スポット的に使っています。じんわり温かい。横向きでも縦向きでも使えるのと、2人でいるときに満遍なく暖めてくれる首振り機能が予想外に便利です。

CER-11は2022年モデル(少しお安かった)でしたが、毎年新しいモデルが出ているんですね。ERFT11は2023年モデルですって。お値段の動きをみていると、来冬に向けて春〜夏に準備すれば新モデルでも買えたかなーって思いますが、寒くないときにヒーター買うってなかなか思いつかないですね。

この話に出てきた映画

スター・ウォーズ: バッド・バッチ

オーダー66というあまりに非道な運命が発動された後の世界で、バッド・バッチを自称するはぐれ者のクローン兵たちが生き残りと大切なものを守るために戦う、スターウォーズのスピンオフドラマ。命令に従うために生まれたクローンたちが、突如自分の意思と決断で生き抜かねばならぬことになり、迷いつつ戸惑いながら、より良い選択をしようと模索する。

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