根性ではウイルスに勝てないので、覚悟を持って寝込むんです。

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正月三ヶ日からインフルエンザで寝込んでいました。数日後、失われた正月を求めて外に繰り出したときには、世間はとっくにお屠蘇の酔いから醒めており、取り残されたような孤独を感じました。

前回インフルエンザに罹ったのはかれこれ20年以上前ですが、とにかく辛かったと記憶しています。わたくし熱が出にくいかわりに、ちょっとした熱で息も絶え絶えになるので、インフルエンザの高熱はキツかったのです。

でも、思いつきでワクチンを打っていたおかげで、この度はそこまで熱も出ず、ひどい風邪レベルで済んでくれたのは想定外のラッキーでした。言葉のあやでも例えでもなく寝(てるしかない)正月を過ごす羽目になったので、ラッキーもなにもという気もしますが、気は持ちようということで。今年はきっとラッキーイヤー。

さて、今回の本題は、体調不良のときの寝込み方についてです。大げさに言うと、寝込むときにはそれなりの覚悟を持って挑めということです。

なぜなら、「体調不良で寝込む」とは、体内において、免疫細胞連合とウイルスとの間で行われる一連の戦いだからである。つまり、寝込んでいるときの我々は、身体と精神の力を総動員し、必ず勝たねばならぬ総力戦を戦っているのだと心得よ。

この総力戦を前線で指揮し、戦闘を行うのは身体に備わった免疫機構なので、今こうしてキーボードを連打している「わたくし」の精神は後方支援に徹することになる。

そして、後方支援に徹するとは、以下の任務をやり遂げることです。

  • 安静
  • 温かくする
  • 水分と栄養補給
  • ユーモアを保つ
  • 機を見て援軍(医師や家族)の助けを得る

なんや体調が悪いときの当たり前の対処法やん、と思ったあなたは正しい。しかし、この当たり前を必要なときに必要なだけ実行するとなると、なかなか難しいものです。

だって、予定していたことも楽しみにしていたこともあるし、温かくなくても着たい服だってあるし、消化に悪くても食べたいものだってあるし、そもそも業務や家事に追われているし、ちょっと体調悪いからって休んでいられるほど暇じゃないんですもの。

そうして、いよいよ戦局(体調)が悪化して、強制的に後方支援業務に就く(寝てるしかなくなる)まで、ちょっとしんどいのを無視してしまいがち。

しかも、ちょっと戦局が良くなったとたんに後方支援を放り出して、ぶり返したりする。ぶり返したときはキツいぞー

だからこそ、「わたくし」が余計なことをしないよう、あえて覚悟して寝込むのです。

免疫細胞連合が作戦遂行するための後方支援に徹するのだと言い聞かせ、ちょっとマシやし映画見よ、漫画読も、洗濯すませとこ、メールだけでもチェックしよなんてことはしない!安静これ絶対!

とはいえ、一人静かに横たわり熱や頭痛に耐えていると、つい嫌なことや悪い想像をして心細くもなってきますよね。

でも、ネガティブな気分は免疫力を低下させてしまいます。安静にしておきながら敵(ウイルス)に塩を送っていては、本末転倒。

そういうときこそ、己の務めを思い出すのです。

Q. わたくしの任務は何か?

A. 安静、温かくすること、水分と栄養補給、ユーモアを保つこと、機を見て援軍(医師や家族)の助けを得ること、です!

Q. もう一度聞く、わたくしの務めはなにか?

A. 自らウイルスを駆逐してやりたいところですが、強靭にして忍耐強い免疫機構を信じて、後方支援に徹することであります!

こんな感じで攻めに姿勢で安静にしていると、ネガティブになりにくい。もはや、発熱なのか心が燃えているのかわからないほどになる。

死屍累々の激戦を繰り広げているであろう細胞たちへ、がんばれ!とエールを送りつつ、身体がウイルスとの戦いに専念できるよう、たとえ痛みや咳で眠れなくてもそっと目を閉じる。

覚悟を胸に抱き、何度か眠りと目覚めを繰り返しているうちに、身体が敵を少しずつ押し返しているのを感じ始める。ここで気を緩めてはならない。いまこそ徹底的に敵を叩く勝機だと己に言い聞かせ、水分と栄養を補給してまた静かに横たわって目を閉じる。がんばれ免疫!とエールを送るのも忘れようにする。

勝利は近い。

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